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鴨川いきもの紹介/その他

2011.12.13コラム

鴨川いきもの紹介/その他

淡水カイメンの仲間

「海綿」と書くのに淡水生物という奇妙なロジックを持つ生物がいます。カイメンは沿岸や浅海に生息するのが主ですが、カワカイメンなどは純淡水産の海綿の仲間です。
カイメンは、岩などに固着してカビやコケの固まりのような印象を受けますが、バラバラの細胞が集まってできた、れっきとした動物です。
小孔という体表の開口部から微生物などを水ごと取り込み、クレーターのように見える大孔から水を吐き出します。写真では、かなり緑がかっていますが、これは藻類が共生している状態で、本来は白っぽいスポンジのように見えます。
鴨川でもこのような20センチ大の石に大きなコロニーを形成するものはあまり見かけません。国内では幾つかの種類が知られていますが、種を特定することは困難です。

プラナリア 扁形動物 サンカクアタマウズムシ科

プラナリアはナミウズムシの別名で、理科の再生実験でも知られるほど有名な生き物ですが、鴨川には多数生息しています。平瀬の石の裏側などに生息し、生きた甲殻類や魚の死骸などを食べます。
鴨川では本来、高野川などの上流域では見られましたが、近年加茂川との合流部より下流にも見られ、これは外来種のアメリカナミウズムシやアメリカツノウズムシであると府内の高校生などの調査によって判明しました。特に汚染に強いアメリカツノウズムシは三角頭の縁(耳葉・じよう)が尖っているということを除けばかなり在来のナミウズムシに酷似しており、在来ウズムシが示す「きれいな水」の指標に対して混乱を招く原因にもなりかねません。
このような外来種の侵入は人為的なもの以外考えられず、安易に輸入水草や熱帯魚などを放逐した結果であるとも思われます。

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